SOUTH EAST ASIA TOUR 座談会 <インドネシア>

――インドネシアは東南アジアツアーの最初の国だったね!どんな感じだった?

S:初日のスラバヤから度肝抜かれたね!ものすげえ盛り上がりで、びっくりした。

――確かに。俺はマラン(インドネシア2日目)が特に衝撃的だったね。メタルストリートがあったところ(※裏通りにある練習スタジオの前の通り。いかれたメタルヘッズがたむろしていた)。そこで皆、あのライブハウスに自分たちの荷物をすべて 持って行ったじゃん?そんときにさ「このライブハウスあぶねぇから荷物に気をつけろ」って、オーガナイザーに念を押されてさ。治安悪いんだなって警戒してたら、なかに入ったら真っ暗なんだよね。笑。

T:すっげえ人がいるけど顔は見えねー!みたいなね。笑。

――二手に分かれてライブハウス行ったじゃん?俺は後から行ったグループで、ライブハウスに入っても皆どこにいるかもわからないくらい真っ暗で、しかもライブハウスはすっげえでかくて、人も多くて、暗いから、みんな怪しいヤツに見えてさ。笑。あれはなんかすっげえ怖かったなー。あと、ライブ中も俺は客として下でVIVISICKを見てるわけじゃん?下で見てて普通に雰囲気が怖かったね、あそこは。

T:ここすっげえケンカ起きてたよね!ひどかったねー!笑。ここは客もすげえ入ってたなー。全員混ぜれば400〜500はいたと思うね。

O:つよしくんとあつしくん(F.O.B)が客にヘッドバッド喰らってたとこあったよね?あそこの方がアブねぇヤツ多かったじゃん。笑。ライブ的には!(一同爆笑)

S:あー!!ジョグジャカルタ(インドネシアの3日目)だ!ジョグジャカルタもすっげえ面白かったなー!

――そういや、あそこで蛍光色の酒飲んだよね(一同爆笑)俺とオノッチが散歩行って酒持って帰ってきたら、外に酒盛りしてるパンクスがいっぱいいて、そいつらにあやしい蛍光の酒だされてさ。それを飲んだあとに、日本語わかるインドネシア人が来て「ああいうのあんまり飲まない方がいいですよ」って言われてね。笑。

T:確かにジョグジャカルタは面白かったね。やってるときはガラガラに見えたけど、写真見ると結構人いたんだね。

S:まあ、ここも会場が広かったから少なく見えたんだろうね。

――でも、このツアー通して全体的に、やっぱりVIVISICKとFUCK ON THE BEACHがやる時は皆が前に来て、最後まで見てたよ。なんかね、入る時間によって値段が違うようなことを聞いた。あとから入る方がちょっと安くなるみたいなことを、日本語がわかるインドネシア人が言ってたもんね。

T:でもインドネシアルールはよくわかんなかったね。笑。

――インドネシアルールってあれでしょ?VIVISICKかFUCKのどちらかは大盛り上がりするけど、どちらかはまるで盛り上がらないっていうやつでしょ?最初に出た方がとにかく盛り上がるんだよね。でも、それは単純に最初に盛り上がりすぎて、最後の方は疲れてただけなんじゃないの?笑。

S:でもオレはね、自分でやってて「今日は全然盛り上がらなかったなー」って日はそんななかったな。最初、客が引いてても、あとから盛り上がってくれたりして。盛り上がらない客を前にしたときは、やりがいあったし楽しかった。絡むと反応があるからさ。

――ビビシックがまったく盛り上がってないのってあったっけな…

T:マラン(インドネシア2日目)はいっさい盛り上がらなかったね。

――いや、でも俺あそこのライブはすっげえ良かったよ。だって人とか見えないんだよ、暗くておっかなくてさ。でも、人がいっぱいいるところにすなおくんがガンガン突っ込んでいってさ、よく勇気あるなと思ったよ。笑。

T:で、コードレスマイクが通じないとこまで行ってね!笑。そんで声が「あっあっあっあっ!」って途切れまくってさ(一同爆笑)

――カメラでも追えなくなってたもん。もうどこにいるのかわからなくて。笑。

S:でも客にはすっげえ痛めつけられたよ、色んな国で(一同爆笑)。

――まったく客が盛り上がってないときに、盛り上げようとするVIVISICKも見てて良かったよ。

T:でもマランの時とか、熱烈にアンコールしといてシラーっと盛り上がらないのとかって意味わかんなかったよね!笑。やらせるだけやらせといて、音が鳴ったらポケーっと口開けて見てるだけかよ!みたいな(一同爆笑)ま、でもあれはあれで面白かったけど。笑。

――体調面はどうだったの?オレはインドネシア着いたらいきなり暑くて、あの気候に慣れるのに少し時間かかったんだけど。

T:俺はスラバヤで、初っぱなからすっげえグッタリしたね。頭痛くて、気持ち悪くてさ。

――それは単なる飲み過ぎじゃないの?笑。初日すっげえ飲んだでしょ?

O:なんか地元の酒を「うめー」とか言ってガバガバ飲んでたじゃん!笑。

T:いやいや、そうじゃなくて、インドネシアに着いて2日目くらいまで買い物のシステムが良くわからなくて、水が買えなかったじゃん?最初のうちは水を飲んでなかったからだと思うけど、すっげえ具合悪くてさ。しかもなぜか買った飲み物全部ぬるいし。笑。

――ホント暑かったねー。軽い脱水症状みたくなったよね。

S:そういや、インドネシアの時って、オノッチは全般的になんだか元気なかったよね?

T:あー、なんだかちょっとゲンナリしてたかも。笑。

O:いやー、あれはー、トイレだね。したあとに、水を使ってケツを手でふかなければいけないってことで…。

――トイレと風呂が一緒だもんね。

O:あのトイレ文化はね、俺は合わなかったね。水が水溜めにいっぱい入ってて、それを水差しですくってトイレと風呂の両方に使うんだけど…。

S:俺は逆にね、手でケツをふくってのが、すげえ気持ちよくて。あのトイレ文化でなんか段々元気になってきたんだよね。笑。ケツを手でふくって行為は、俺たちにしたら、思い切らなきゃ出来ない行為じゃん?なんかそれが出来て、ひとつ殻を破った!みたいな爽快感があった。笑。でも高原(4日目のバンドン)に移動して、寒くて頭痛くなった。

T:俺は逆に高原に行って元気になったけどね。でも2日目のマランの安ホテルでちょっとヘコみそうになった。排水溝からカニが出てきたときは固まったもん。笑。

O:俺は初日でいきなり足全体をダニにかまれて、C型肝炎決定かと思った。笑。(※ダニでC型肝炎にはなりません)

――でも、ライブ終わった後に打ち上げみたいな感じでベジタリアンフードとか、飯をもらえたのはすっごいよかったね。バンドン(インドネシア4日目)とかさ。

T:あー飯のシステムはすごい良かった。

O:バンドンのオーガナイザーのアリ(DOMESTIK DOKTRINのボーカル)は、本気のベジタリアンだぜ!あいつはすげえよ!農作業の帽子みたいなの被ってさ。ライブでも被っててさ、あいつは本気だよ!

――その帽子が本気の証拠なんだ?関係ないと思うけど(一同爆笑)

O:あれは農夫だっていう意気込みだろう!

S:あの帽子はアクセサリー的なものじゃない?笑。でもアリたちのところでもそうだったけど、ツアー中の各地で見たFOOD NOT BOMBっていうスローガンはすげえ衝撃だったな。

O:やっぱ爆弾より飯でしょ!

――インドネシア全体の印象としてはどうなの?

O:東南アジアをまわってインドネシアが一番D.I.Yだったと思うよ。ここが一番、本気でやってる感じがした。ジャカルタのイカ(ジャカルタのオーガナイザーのひとり)の家(兼レコード屋?)は皆の基地って感じがしたなー。

――インドネシアではD.I.Yか否かというのがとにかく重要という感じでだったね。

S:確かに、オレらがDIYじゃないということで、ライブに来なかった人も結構いたという話もインドネシア各地の人たちから聞いたしね(トップページの『東南アジアツアー時に起きたハプニング』参照)。良い悪いは置いといて、それぐらい極端な場所ってことだよね。でもインドネシアで実際に接した人たち、世話してくれた人たち、見に来てくれた人たちは、本当にすっげえいい人も多かったからね。それは感動したよ。先入観を抜きに、ちゃんとVIVISICKのライブを見てくれたり、コミュニケーションを取ってくれたりして、オレたちがどういう人間なのかを見てくれたからね。そんなポリティカルなシーンでも、そういう人たちがたくさんいたってことは感動だったよ。

T:そういや、インドネシアって言ったら、スケさん(F.O.B)がバスん中で寝てる間に金盗まれたのもびっくりしたね!

S:やっぱ日本ではあんまり考えられないことだよね。俺がインドネシアで一番印象に残ったのはさ、初日に泊まらせてくれた孤児ハウスのお母さんがすっげえいい人だったじゃん?で、あの人、未来がない孤児とか引き取って、すげえ世話してるじゃん。成人したときに社会に出てもきちんとやってけるようにさ。「政府がやらないから私がやるんだ」って言っててすげえと思ったよ。その孤児ハウスから俺らが去るときに、そんなお母さんがアキくんに「アキ!サクセスだ!」みたいなこと言っててさ、そんなお母さんの言うサクセスって言葉は重いなーって思ってさ。やっぱり日本人は金があって余裕があるから、金を得ることは汚いことだみたいなとこあるじゃん?色々日本で問題はあるけど、自分のやりたいことをやれるってことに関しては他に比べたら環境が整った国だと思うからさ。自分に与えられた環境を生かして自分なりにサクセスしていかなきゃならないなと、お母さんのその一言で思ったね。オレたちにとってはサクセス=金ではないんだけど、とにかく自分なりの価値観でやりたいことを自分なりに極めていきたいなと、お母さんの言葉を聞いてますます思った。

――確かにね。ところでオッっていうようなかっこいいバンドはいた?

T:やっぱ一番の驚きはBLACK BOOTS(ジョグジャカルタ)だよ!

一―あれはすごかったね。

T:彼等は元々ストリートパンク系のバンドだったらしいけど、今はクラストっぽい音やっててもう10年以上やってるって言ってたね。あのすげーライブを見たら間違いなくみんなびびると思うけどなー。インドネシアは全体的にレベル高かったけど、やつらは別格だった気がしたな。

S:すごかったよね。他にもHUMAN CORRUTION(スラバヤ)、MORTAL COMBAT(ジョグジャカルタ)、DOMESTIK DOKTRIN(バンドン)、RELATIONSHIT!(ジャカルタ)とかたくさんいいバンドがいていい刺激になったよ。

続く...