SOUTH EAST ASIA TOUR 座談会 <マレーシア>

――はいはい、じゃあ、マレーシアに行くよー。

一同:(写真見ながら)あー!チャッピーチャッピー!あいつ面白かったなー。

T:アシスタントでしょ?笑。(企画者の一人・ジンボのアシスタントだと周りにからかわれていた)

S:いや、でもあいつ熱かったよ。トレンドは嫌いだって言ってたもん。笑。色々話したけど、ハードコアへの情熱が伝わってきたなー。

――「オレはみんなにのび太って言われてる」って嬉しそうに言ってたよね(一同爆笑)

  S:ホントすっげえいいヤツだった。オレ、マンツーマンで一時間くらい喋ったからね。お別れのとき、俺たちを見送ってくれた姿がすげえ熱かったよ。

T:ホントいいヤツだったね。

――ジョホールバルのライブでは警察が来たよね。

S:厳しいよね、マレーシアもね。

T:オレらが会場の外で寝てたら「警察来るから寝るな!」って怒られたもんね。

O:あー、バンバンテクノ?(一同爆笑)

――そうそうバンバンテクノだったね、会場の名前は。笑。

S:あれ、俺たちが終わったあと警察来たんだっけ?それでライブは中止。で、「すぐ片付けろー!」みたいな感じで。

――で、次の場所行こうみたいになったね。

T:でもここのライブは良かったよねー?

S:面白かったね。会場も場末のバーみたいな感じですげえ面白かったし。

O:その後にやったスタジオライブも良かったね(この日、途中で警察が入ってライブが中止になったために、練習スタジオへ移動しライブを続行した)。

T:そこでもう一回やってくれ!って言われてね。

S:そう!すでにその日は一回ライブをやってたからすっげえ疲れてたけど、すっげえ情熱的に言われたから「じゃあやるよ!」って言ったらすごい喜んでくれて嬉しかったね。でもオレらやるときは8人くらいしかいなかったけどね(一同爆笑)

T:いや、5人くらいじゃない?笑。

――VIVISICKの方が少なかったね。FUCKの方がまだ人いたもんね。FUCKの時は10 人くらいいたもんね。笑。

S:たぶん俺たちがやることを知らなかったから、みんな帰っちゃったんだよね。

O:あと暑すぎたんだよ!笑。スタジオのなかは、蒸し風呂みたいだったじゃん。

S:MY PRECIOUSともう一個、中止になって出来なかったバンドがやる為の続きみたいな感じだったけど、スタジオに移動してきた時点ですでに人が全然いなかったよね。俺たちの出番になったらさらにいなくて、関係者のためにやったみたいな感じだったけど、世話になった人たちがすっげえ喜んでくれてとにかく良かったね。ジャリ(シンガポールのオーガナイザー)とかダイブしてたよね、せっまいスタジオで。笑。なんか嬉しかった。

T:あと山本さん(エリン:極楽とんぼの山本に似てることから命名)も盛り上がってくれてたね。笑。

――じゃあ、次のクアラルンプールはどうだった?

T:クアラルンプールと言えば、とにかくジョー(クアラルンプールのオーガナイザー)がかっこ良かったね!ジョーがかっこ良かったに尽きるね。

S:いやー、かっこ良かったね!

T:しゃべってることがすげえかっこ良かったね。いちいち「ほぉぉー!!」って感じだった。

S:説得力があったね。オーラもハンパなかったし。

T:やっぱそれだけの経験してきたんだろーなって感じがする。やっぱジョーとフェンディー(ジョーのバンドのベース)はかっこ良かったね。

O:うーん!ジョーはかっこ良かった!!!よし!次行こう!もうオレ眠いんだよね!(一同爆笑)

S:じゃあオノッチ中心に行こう。眠らせないように。

O:いやー、ジョーはいいヤツだったよ。40歳?ホントすげーよ!

T:そうだ!オレまだ渡してなかったね。ジョーからもらったDVDがあるんだ!CARBRETOR DUNGとかAPPARATUSとか入ってんだ、すっげえかっこ良かったんだ!

――でもジョーはすげえいいこと言ってたね、日本のハードコアについてさ。最初は海外から、アメリカやヨーロッパから入ってきたじゃん?それをすごいかっこよく消化して、オリジナルとして日本のハードコアは出してるから、日本のハードコアはすげえかっこいいんだって。

O:日本ってさ、やっぱり理解して揉みくだすのがうまいっては思うよね。

――そうそう!そういうのを一番理解してくれてたから。

T:それは一番嬉しいよね。

――だってジョーの口からTHE FUTURESって言葉が出てきたからね。笑。オレ、それはすごい驚いたね。いろいろ言われたよね?ジャケとかもすげえみたいなことを。で、サイケデリックハードコアだって言ったらすげえ笑ってたもんね。

S:そうだね、だからあきくん言ってたけど、そういうこと言ってくれるヤツがほとんどいなかったからね。しかもジョーは25年くらいマレーシアって土地で、しかもリアルタイムで世界中のパンクやハードコア聞いてきた人だからね、ただ聴いてるだけじゃないっていう感じだよね。

――そうそう。日本のハードコアかっこいい!ってヤツはいっぱいいたけど、速いだのなんだのさ、そういうことじゃねぇじゃん。で、ライブに関してはどうだったの?

S:クアラルンプールは、ライブに関してはイマイチだったかな。結構、ライブやってて反応が冷たかったね。ライブ前後はみんなあったかかったけど、ライブしてるときは冷たかったなー。だからライブ自体はあまり面白くなかったね、オレは。

T:確かに腑に落ちないとこはあったね。なんでなんだろう?クアラルンプールはそこまでダメな演奏してないハズだったのにね。

S:ジョホールバルの方がライブは面白かったね。

T:クララルンプールは人も良かったんだけどね。でもやっぱりクアラルンプールはちょっと都会なのかなとも思ったね。

――都会だったしね、本当にね。

S:ま、でもクアラルンプールのライブは俺たち以外も盛り上がるような感じじゃなかったしね、客のノリが。とりあえずハードコアのライブやるのはクアラルンプールも大変だって言ってたけどね。

T:でも街ではみんなすげえリラックスしてたよね。

S:ライブはピンと来なかったけど、確かに街や人はすごく印象に残ってるね。

T:とりあえずクアラルンプールはいいバイヴ持ってる人が多かったよね。すなおくんが中華街で話してたヤツとも良かったね?なんか政府に対すること言ってたさ。

S:あー!あいつか!すげえいいバイヴ持ってたね。っていうかバイヴって…。爆笑。とりあえず興味があって「お前の国の政府はどうなんだ?」って色んな国の人に聞いていたんだけどさ、そいつだけは皆と違う答えでさ「悪くないよ、なぜなら俺たちはココで生きて行けるから」って言っててさ、それはなんだか新しい答えだったっていうかね。そういう風にポジティブに答えた人ってアイツだけだったからさ、なんか新しいなって思ったね。

T:極論を言えばそうだよね。

S:確かにね。とりあえず彼は色々と話して好感が持てたね。

T:やっぱシステムが云々って言うヤツ正直多かったじゃん。ちょっとうんざりしたとこもあったけど、なんかそれがすっげえガチガチで押し付けがましく感じてさ。悪口を言ってるわけじゃないだけど、なんかそういうところなかった?そういうことがどうでもいいってわけじゃないんだけど、うざいヤツはいたね。「そうなんだー」ってこっちが言うと、やたらと同意を求めてくるっていうか。

S:だから、あれでしょ?そういう音楽やってるからそうでしょ?っていうそのルールにはうんざりするね。

T:結局そう思ってる時点で、ひとつのジャンルになっちゃってるわけじゃん。

S:まあ、何を歌おうと、何を主張しようと、何を表現しようと、それをやってる本人が本気で感じて叫んでるなら、いいと思うんだ。その中身が政治的なことであろうと、社会的なことであろうと、個人的なことであろうとさ。でもそれを押し付けられてしまうと嫌だよね。ガチガチのカテゴライズを作って、そのなかだけのルールを作って、そこに完璧に当てはまらない人をハナっから非難して否定して排除してバカにするってだけならば、それはレイシズム的なものにオレは感じちゃうからさ、そういう人が主張するポリティカルに限って言えば共感はできないね。それって結局、システムが俺たちにやっていること本質的には変わんないとオレは思うし。

O:東南アジアに行って俺達がそういう経験をしたってことでいうと、俺たちがそこにはない違う俺たちのやり方を逆に伝えていくってのもありじゃん?実際あっちから教えられる部分もたくさんあったんだからさ。「オレはアナーキストだ!」って言ってるやつらがいたけど(後のフィリピン編で詳しく説明)、やりたいならやればいいんだよ。で、ドンドン捕まえられればいいしさ。結局、それは昔の日本と一緒だと思うよ。ただ今の日本がそうじゃなくなったってだけでさ、昔は学生運動とか色々あったわけだしさ。もちろん東南アジア諸国と日本は事情が違うだろうけど、その人たちがそれが正しいと信じてるんなら、やるだけやったほうがいいんだよ。アナーキーに対して別にね、オレは好きだし、なかには武力で制してやりたいってヤツもいると思うんだよね。「気に入らねえヤツは全員ぶっ殺しちまえよ」ってやつが、100人いたらそりゃ1人や2人いてもおかしくないし。ただそのやり方で(世の中を良い方向にもって)いけるかどうかってのが問題でさ。(世の中を良い方向にもって)いけないとオレは思うから「それは違うんじゃない?」って言うし。それでも聞く耳持たないんだったら「やりたきゃやれよ」って思っちゃうからね。まあ、それは個人の自由だし。で、(やるだけやってもしダメだったら)どんどん生まれ変わっていくもんだと思うからさ。

T:まあ、正直押し付けがましいってのがちょっとあったかなー。

O:でも「俺が変えてやる」っていう行為はいいことじゃん?ただ、それが違う方向に行ったら違うことだから。皆で徒党を組んでいいことが出来ればいいけど、徒党を組んで悪いものになってしまったら、政府だなんだと言っても、結局、それは本質的にドンドンかけ離れていくわけじゃん。徒党を組んでいい社会に持って行かなきゃならないわけじゃん、やっぱ最後には。

S:アメリカの時はすごい感動したけどね。皆、普通に自然体でポリティカルな人たちだったし、ベジタリアンも多かったし、いろんなことがバリバリDIY全開な感じだったけど、押し付けるようなこととか非難するようなこととか全然言わなかったじゃん?それはすごく良かったし、その姿勢から得たものもたくさんあった。

O:やっぱり思ったんだけどさ、20年30年…いやそれは長過ぎるかもしれないけど、音楽だったら5年10年経てばさ、状況が変わってくるじゃん?またアジアに行ってさ、5年後とかに行ったら絶対変わってると思うからさ。10年後とかさ。で、オレらみたいなスタンスなバンドも出てくると思うんだよね。それをまた見に行きたいっていうのはあるよね。

――そんな気もするね。主張することはもちろん大切なことだけど、そこに柔軟性があるともっと素晴らしいよね。

続く...