5/7(金) クリチバ
珍しく言われた時間通りに着いた今日の街クリチバ。ブラジルで一番治安がいいと言われてるだけあって、ヨーロピアンスタイルの街並みはキレイだ。MDRの連中と散策中、ツアー中何度目かの「VIVISICK!」と声をかけられたが、街同様声のかけ方までなんとなく上品というか馴れ馴れしくない。ステーキが有名ということで、日本人5人でそれぞれパスタと4人分の肉を注文。なぜか笑うMDRに疑問を感じてるとテーブルに運ばれてきたのは日本なら10人分はありそうな超大盛りミディアムレア。なんとか平らげるも胃もたれしつつ会場へ。のちにスナオ腹痛を訴える。ライブ会場到着後ほどなくしてトップのドランクR&RのEVIL IDOLSが演奏開始。日本でもすでに何枚か音源を持っていたバンドだけに期待が膨らんだがちょっと長過ぎ。曲はかっこいいんだけど…。次はVIVISICK。なぜか会場スタッフにギタ−の音を小さくされた上に、マイクトラブルも連発。イライラが募るが、曲を進むごとに陽気度を増す客席のおかげで嫌な気分も吹っ飛ばすことができた(後で見たビデオで、声が出ていないのに必死のアクションで歌い続けるスナオは痛々しかったが…)。次は地元の人気バンド(多分)のCOLLIGERE。いわゆるエモ系なのだが時折入るHCパートと感情的なハイテンション絶叫ボーカルが乗る、今まで対バンした中では一番レベルが高いと思った。次はHELLNATION。大暴れの客はブラストビートに合わせてブラストモッシュをかますので、まるで早送りを見ているかのような錯角に陥る。そしてうちらの中ではもはや大御所のMDR。ボーカルのべべが「俺は日本とアメリカから来たバンドと一緒にできてすげー幸せだ!」とのMCには一同感激。今日の客入りは250人。ライブ終了後、金髪ギャルと消えたべべを探しに夜の街を追跡するも結局見つからず。悔しかったのか一番熱心に探していたMDRのギター・パウリスタは途中で財布を落としてさらに落ち込んでいた。

5/8(土) ジョインビレ
バンはさらに南下してブラジルで一番裕福な街と言われるジョインビレへ。ここは戦時中に多くのドイツ人が移住してきたとの話で、先日のクリチバ以上に白人オンリー。今日のライブは真夜中にあるということでホテルでひと休みした後、食事がてらショッピングモールに行ったり、ヴィラヴェーリャで癖になってしまったサンバのCDを買ったりと、思い思いの時間を満喫。ここでも街を歩いていると、ハイテンションなパンクス軍団に遭遇。勝手に意気投合してきた彼らとカフェでコ−ヒ−を飲むことに。「ここの女は一番簡単だ」とか「オレたちの暴れっぷりはハンパじゃないぜ」とか、聞いてもない情報を一方的に提供される。ライブ会場へ向かう途中、バス停に黒山の人だかりを発見。モジンに訪ねると全員ライブへ向かう客だという。さらに興奮することになんと今日のライブ会場は牧場の倉庫。一歩外に出れば満天の星空に豊かな緑が広がる最高のロケーションだった。ライブ開始が真夜中ということもあってかすでに異常な酔っ払い度数。早くも潰れて芝生の上でのびてる者、まっすぐ歩けないでガンガン人に当たってひんしゅくを買う者のオンパレード。ライブもトップのバンドが始まるやいなや誰が持ってきたのか、中に新聞紙の詰まったお手製の人形をみんなで蹴りまくって振り回し、辺りは新聞まみれに。この会場の音は物凄くチ−プだったが、客はお構いなしにラストのMERDAまで発狂し続けた。ライブ終了後、酔ったパツキン美人のキス口撃に恵まれるも時すでに遅し。明日のツアー最終地までかなりの距離があるということでバンに乗り込む一同。もう少しゆっくりしたかった…。400人の客入り。

5/9(日) プライアグランジ
いよいよツアー最終日。サンパウロの南端に位置するキレイなビーチの街プライアグランジ。ライブハウスのオーナーが料理を用意してくれた上、うちらがお土産を買いたいと言ったら車まで出してくれた。IRON MAIDENマニアに彼に感謝。トップはCONTRAMAO。たまにラップが入るのが個人的には残念だったが、それ以外のパートは伝統的なブラジリアンHCの匂いがする力強いバンドだった。次はツアー中の共演バンドで一番楽しみにしていたムードメーカー・ニノが在籍する本職バンドDISCARGA。無気味に笑いながら叩く彼のスタイルに加えベースのアクションが圧巻。狂ったかのようにステージ上を動き回る。LARMばりの決してブラストではないハイスピード感が爽快。音源同様強力なライブだった。次はRDPのドラマーが在籍するこれまた楽しみにしていたI SHOT CYRUS。今度はほとんど動かないが鬼で形相で絶叫するボーカルに釘付け。彼等独特の若干メタリックな曲展開に出音の大きさが半端じゃないドラマーの強烈ビートが炸裂。興奮を抑えきれず思わずモッシュに参加。そしてうちらのブラジルラストライブ。客の入りも300人と申し分無し。最後の力を振り絞りプレイするうちらの心を知ってか客も期待通りの反応。が途中でいきなり客の勢いがストップ。気付かなかったが後で聞くとダイブした客が誰も受け止めてくれずフロアに叩き付けられたらしい(ステージはかなりの高さ)。そしてHELLNATION、MDR共に最後に相応しい最高ライブで締めくくり、ついに感動のツアーファイナル。明日の飛行機の時間までまたまたお世話になるサンパウロのシャミール宅前までバンで送ってもらい別れの挨拶。直前までみんな車で寝ていて感動する時間がなかったこともあり涙を見せる者はいなかったが、本当に世話になったと心から感謝の気持ちでいっぱいであった。

総括
今回ブラジルという日本のバンドがあまり行かない「南米」でツアーをしてきたわけだが、出発前周りの友達に心配されていたような治安の面は、ライブ会場と楽屋の入口に屈強なセキュリティーがついていたこともあり全く問題なかった。最初こそ「俺達はハードコアバンドなのに…」とその大げさな警護に戸惑った面もあったが、唯一楽屋へのセキュリティーがなかったリオではパンクスが次々と入ってきて、タカリへの対応と何か盗まれないかと目を見張るので疲れ果てた。一般に治安が悪いと言われるブラジルにおいては金持ちと思われてる日本のバンドとしてこの位ないと正直厳しいと実感。しかしその他は見るもの聞くものすべてが刺激的で白人も黒人も黄色人も関係なくモッシュピットで混じる様はハードコアの理想型を見たような気がした。



BACK

HOME